――そして、【第七の喜劇】は繰り返され続けるだろう…… ⇒
<Und die siebte Komödie wird sich wiederholen>
<sieben>
此の身を焼き尽くすのは
<sechs>
浄化を謳う欺瞞の焔
<fünf>
此の心を灼き尽くすのは
<vier>
復讐と唄う憎しみの炎
<drei>
飢餓と病 疑心と殺戮
<zwei>
イドの底に潜む 暗黒の時代よ
<eins>
黒き死の如く 連鎖してゆけ
【März】 地獄に堕ちても…
愛してる
[エリーゼのために]
<Diese Geschichte ist Fiktion
doch deswegen ist nicht alles an Ihr erfunden.>
此の物語は虚構である。然し、其の総てが虚偽であるとは限らない。
<Und jetzt Dunkelheit liegt sich ueber die Lande.>
――そして今、此の地平に宵闇が訪れた……。
<Denn die Ende entgegen, eine rechte der sebte horizont "Mӓrchen">
終焉へと疾りだす、夜の復讐劇、第七の地平線。
私は『誰』なのか? 記述が抜け落ちた 真っ白な其の頁<かみ>を 宵闇に染めてゆく
気付けば井戸の底 空を見上げていた 抱いていた可愛い少女<Mädchen> 口を開いた
「「ウフフ…愛シテルワ、メル。コレデ私達、ズットズーット一緒ネ!アハハハハハ!」
「復讐シヨウネ」
「復讐シヨウ」と 彼女が囁く その声色は 何処か懐かしく
何の為かなんて 誰の為かなんて 憶い出せぬ儘 衝動に従った
苦痛に歪む顔 悲痛に喚く声 戦慄と後悔の中で
嗚呼 復讐は罪が故に 粛々と受け入れ給え 嘆いた処でもう手遅れさ
遂に モリから イドヘ至る 喜劇①の幕は上がった
七人の女優達よ<Schauspielerinnen>!
「さあ、美しすぎる死人姫に ご登場願おうか」
<Drei…Zwei…Eins…und los>
死せる今 幾ら憾めど 刻は既に遅く
お嬢さん<Fräulein> 君は独り<du bist allein> 夜の旅路 彷徨う屍体
偶然に出逢った物語<Roman> 嗚呼 此れも運命
小さな口<Mündlein> 七の苦悩<sieben Pein> 忘れぬ間に紡ぎなさい さぁ――
「さぁ唄ってごらん…」
Kam… Kam…Die Nacht kam…
Das Sieben Märchen…Lalala…
Kam… Kam…Die Nacht kam…
Das Sieben Märchen…Lalalala…
墓場から始まる 七つの童話<Märchen> イドの底に潜む 矛盾の罠
物語の策者は 作為的な嘘で 錯落なる幻想を紡ぐ
光と闇が織り成す世界<モザイク>の中に 愛と憎悪が溢れる
誰かをかつて愛したような気がした
憎しみの焔は揺れ躍る
誰かに愛されたような気もした……
↑ 嗚呼 でもそれは気のせいよ ↑
キミが誰かを怨むなら その復讐に手を貸そう!
Kam… Kam…Die Nacht kam…
Das Sieben Märchen…Lalala…
「黒き死を遡るかのように、旋律は東を目指す」
[アイネ・クライネ・ナハトムジーク]
[ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125/歓喜の歌]
Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!
Deine Zauber binden wieder,
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder,
Wo dein sanfter Flügel weilt.
歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上の楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る
汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
汝の柔らかな翼が留まる所で
[幻想即興曲]
[展覧会の絵「プロムナード」]
<Ich wollte hier nicht verenden.>
―我はこんな所で死に絶えたくはなかった
<Das geht dir doch auch so, oder, Junge?>
少年 其れは君も同じだろう?
<「Ja.」>
ヤー
<Du hast noch Dinge zu tun auf Erden.>
地上で何かやり残したことがあるのではないか?
<「Ja!」>
<Die Zeit ist reif. Empfange mich, mein kind!>
機は既に熟した さぁ 少年 我を受け入れろ!
「うわぁー!」
「うわぁー!」
<Zwei Flammen in sich tragend. Auch jenes Mädchen wird bald erwachen!>
―二つの焔を宿し そちらのお嬢さんも 直に目覚めるだろう!
【山の魔王の宮殿にて】
愛シイ腕ニ抱カレテ目醒メタ … モリへ至ル井戸ノ中デ…
私ハ殺意ヲ唄ウオ人形 … イドへ至ル森ノ中デ…
錏痾蛙遭嗟有合或吾会在唖逢娃婀堊 … モリへ至ル井戸ノ中デ…
宵闇ニ踊ル深紅<アカ>ト漆黒<クロ>ノ影 … イドへ至ル森ノ中デ…
人ヲ殺メテ … 未来<ひかり>奪ッタ …
奴ガ裁カレズ … 生キ延ビルナド … 赦シハシナイ …
<Dunkelheit legt sich über die Lande.>
<Dem Ende entgegen eine nachtliche Rachetragödie.>
<Der siebte horizont『Märchen』>
月光に照らされて 凶行へ羽ばたいた 旋律が絡み合う夜に
嗚呼 復讐は罪が故に 粛々と受け入れ給え 嘆いたところでもう手遅れさ
終に 宵闇の此の楽団で 憾みを唄いたいなら
屍揮者は君の味方さ!
「さあ、潔く死んでから出直してくれたまえ」
<sieben>
<sechs>
<fünf>
<vier>
<drei>
<zwei>
<eins>
<los>
消える影 腕を伸ばせど 闇は既に深く
お嬢さん<Fräulein> 君の輝き<dein Schein> 在りし日々は 過去の残照<ひかり>
生前に夢見た楽園<エデン> 嗚呼 然れど忘却
小さな川<Bächlein> 緋い葡萄酒<rot Wein> 乾かぬ間に紡ぎなさい さぁ――
死の歴史を!
「ウフフ…愛シテルワ、メル。ズットズーット二人デ復讐シ続ケヨウネ。
オ馬鹿サンノ復讐ヲ手伝ウ事コソ、私達ノ復讐! コレナラ、永遠ニ続ケラレルワ!
ダッテ…人間ハ憎シミ合ワズニハイラレナイ生キ物ナンデスモノ!アーハハハハハ!」
<~『Märchen』~>
「ウフフフ、アーッハッハ」(CV.藤田咲)